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切削加工 2025.02.06

フライス加工とは?メリット・デメリットや種類、旋盤加工との違いを解説

フライス加工とは?メリット・デメリットや種類、旋盤加工との違いを解説

フライス加工は、金属加工の中でも加工精度が高い加工方法です。そのため、フライス加工での製品製作を検討している方も多いでしょう。とはいえ、「フライス加工のメリットやデメリットが知りたい」「どんな加工ができるの?」などの疑問を持つ方もいるはずです。

今回は、フライス加工についてメリットやデメリット、加工の種類や使用する工具について解説します。

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フライスとは

フライス加工とは、高速で回転させた刃で金属を削り取り、目的の形状に仕上げる加工方法で、ミーリング加工とも呼ばれています。

切削工具を使い分けることで、さまざまな加工に対応できるのがメリットです。
加工には、主にフライス盤という機械と、材料に応じた切削工具を使用します。

フライス盤には、工具を取り付ける主軸がたて向きの「たて型」と、主軸がよこ向きの「よこ型」があります。

旋盤加工とフライス加工の違いは?

フライス加工と似た加工方法に、旋盤加工があります。旋盤加工とフライス加工の違いは、以下の通りです。

旋盤加工フライス加工
加工方法回転させた材料に固定した切削工具を押し当てて加工回転している切削工具を固定した材料に押し当てて加工
使用する切削工具バイトエンドミル正面フライス
得意な加工円筒状のものの外周や内面の加工平面直線的な溝

フライス加工のメリット

フライス加工には、以下のメリットがあります。

  • 幅広い形状に加工できる
  • 仕上げ加工も可能

フライス加工は、使用する工具を使い分ければ、ほかの加工方法では困難な形状も成形可能です。
材料を削り取るほか、加工品の表面をなめらかにする仕上げ加工もできます。

フライス加工のデメリット

フライス加工のデメリットは、三角形状など一部成形ができない形状があることです。
加工法を工夫することである程度対策はできますが、制限があることは覚えておきましょう。

フライス加工の種類

フライス加工の種類ごとの特徴を順に解説します。

平面加工

平面加工

平面加工とは、材料の平面を削るフライス加工です。

たて型フライス盤に、正面フライスやエンドミルを取り付けて加工を行います。
よこ型フライス盤でも、平フライスを取り付ければ平面加工は可能です。

ただし、主軸の突き出し量が長くなりやすく、表面精度が確保しにくいデメリットがあります。

側面加工

側面加工とは、材料の側面を削るフライス加工です。

たて型フライス盤に取り付けたエンドミルの外周の刃で切削します。
削る面積が広い場合は、よこ型フライス盤に正面フライスを取り付けての加工も可能です。

段加工・段差加工

段加工(段差加工)とは、エンドミルや側フライスを使用して材料に段差を作るフライス加工です。

幅が広く浅い段差を作りたいときは、たて型フライス盤に正面フライスを取り付け、広い面積を削ることで効率的に加工できます。

高低差のある段差を作りたいときは、たて型フライス盤ではエンドミル、よこ型フライス盤では側フライスを使用するのが一般的です。

穴加工

穴加工

穴加工とは、ドリルやリーマなどの工具を使用して材料に穴を空ける加工方法です。

穴あけ加工のほか、ボーリング加工、内面仕上げなどにも対応しています。

溝加工

溝加工とは、材料に溝を掘る加工方法です。

工具を使い分けることで、以下のような幅広い種類の溝の加工が可能です。

  • エンドミルで四角い凹みを作るポケット加工
  • エンドミルで丸い凹みを作るヘリカル加工
  • エンドミルで回転する部品を固定するためのキー溝加工
  • T溝フライスでボルトをはめこむ用途のT溝加工
  • アリ溝フライスでアリ溝加工

曲面加工

曲面加工

曲面加工とは、複雑な3次元形状に成形する加工方法で、3次元加工とも呼ばれています。

材料を前後左右に、工具を上下に動かすことで曲面の加工が可能です。

より複雑な形状の加工には、プログラムを設定したNCフライス盤や、マシニングセンタが使用されることもあります。

フライス加工に用いられる4つの機械

フライス加工は、材料や加工する形状に応じてさまざまな機械を使用するのも特徴です。

フライス加工で用いられる、4つの機械の特徴を順に解説します。

汎用フライス盤

汎用フライス盤

汎用フライス盤とは、作業者が切削工具を取り付け、手動で操作するフライス盤のことです。

汎用フライス盤は手動操作のため、作業者の経験や技術によって出来栄えに差が生じます。
熟練の作業者が加工すれば、高精度・高品質な仕上がりも可能です。

NCフライス盤

NCフライス盤(Numerical Control)とは、コンピューターによって条件を数値制御し加工を進めるフライス盤です。

NCフライス盤はプログラム通りに加工が進むため、出来栄えが作業者の技術力に依存しません。
各工程の調整も手動ではなく数値でコントロールするため、汎用フライス盤よりも安定した加工精度を実現可能です。

マシニングセンタ

マシニングセンタ

マシニングセンタとは、数値制御できるNCフライス盤に、工具の自動交換機能が搭載されたフライス盤です。

従来のフライス盤では工具を1つしか付けられませんが、マシニングセンタなら同時に複数の工具をセットできます。
手動での工具交換が不要なため、フライス加工を効率的に進められるのがメリットです。

NC歯車加工機

NC歯車加工機

NC歯車加工機とは、歯車加工に使用されるフライス加工機です。
「ホブ」という専用の切削工具を回転させて加工を行います。

NC歯車加工機は加工する歯数や形状、サイズの調整が簡単にできるため、以下のような歯車の加工に対応できます。

  • 平歯車
  • はすば歯車
  • ウォームギヤなど

フライス加工に用いられる5つの工具

フライス加工では、取り付ける工具を取り替えることでさまざまな加工が可能です。

フライス加工で用いられる5つの工具の特徴を解説します。

正面フライス

正面フライスとは、円の外周に複数の刃が付いている工具で、フェースミルとも呼ばれています。

主にたて型フライス盤で使用されており、フライス加工でもっとも使用される工具のひとつです。
正面フライスは、回転しながら平行移動をすることで、材料の表面を平らに加工します。

一度に広範囲を削れるため、効率よく加工を進められるのがメリットです。

平フライス

平フライスとは、外周面に刃を持つ円筒形状の工具です。

平面加工をする際に、よこ型フライスに取り付けて使用します。
正面フライスと比較すると、切削効率が高い一方で精度は低いのが特徴です。

そのため、荒削り加工に使用されることが多いでしょう。

溝フライス

溝フライスとは、高速回転する円状の刃が付いた工具で、その名の通り加工で溝を作る際に使用します。エンドミルを使用した溝加工よりも切削スピードが高く、高精度な加工が可能です。

効率的にきれいな溝を作れるため、長くて深い溝を多く作りたいときに用いられます。

側フライス

側フライスとは、外周と両側面に切れ刃の付いた円盤状の工具で、サイドカッターとも呼ばれています。

よこ型フライス盤に取り付けて、溝や側面の加工時に使用されます。

側フライスには、スリット状の溝加工に適しているすりわりフライスや、中心から刃先にかけて厚みが薄くなっているメタルソーなど種類があるのも特徴です。

エンドミル

エンドミル

エンドミルは、ドリルのような細長い形状をした工具で、平面加工、段加工、溝加工などさまざまな加工に対応しています。

1本で幅広い形状の加工ができるため、工具交換の手間が省けるのがメリットです。

先端が平らなスクエアエンドミルや、先端が球型で曲面加工を得意とするボールエンドミルなどの種類があります。

まとめ

本記事では、フライス加工について概要やメリット、デメリットなどを詳しく解説しました。

フライス加工は、さまざまな工具や加工方法を用いることで、幅広い加工が可能です。
ほかの加工ではできなかった製品製作も、フライス加工をぜひ検討してみましょう。

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