
耐久性や耐候性の高いポリカーボネートは、屋内・屋外問わずさまざまな製品の素材として採用されています。
しかし、ポリカーボネートを使っての製品や部品製造を検討している方の中には「ポリカーボネートは切削加工できる?」「注意すべきポイントはある?」といった疑問を持つ方も多いかもしれません。
今回の記事では、ポリカーボネートの特徴やメリット、デメリットとともに、切削加工のメリットや注意点を解説します。
ポリカーボネートの製品製作に、ぜひ役立ててください。
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ポリカーボネートとは?メリットデメリットやアクリルとの違い
ポリカーボネートとはPCとも呼ばれる、汎用エンジニアプラスチックの一種です。
ポリカーボネートの特徴や性質を元に、メリットやデメリット、似ている素材であるアクリルとの違いを順に解説します。
ポリカーボネートのメリット
ポリカーボネートには、以下のメリットがあります。
- 120℃〜130℃まで耐えられる高い耐熱性がある
- -100℃まで素材性能を維持できる耐寒性がある
- 温度変化と太陽光に強い耐候性がある
- 可視光線の透過率約80〜90%の、ガラスに匹敵する高い透明性がある
- ガラスの200倍、アクリルの50倍の耐衝撃性を持つ
- 吸水性が低く、成形時の収縮も少ないため、寸法安定性が高く加工しやすい
- 難燃性と自己消火性を持つ
- アルコールや塩類、弱酸への耐薬品性がある
ポリカーボネートは強度や耐候性が高く、さらに加工もしやすいためさまざまな製品の素材として使用されています。
ポリカーボネートのデメリット
ポリカーボネートの性質から、以下のデメリットがあります。
- 高温高湿では加水分解による強度劣化が起きる
- 有機溶剤やアルカリ性に対して弱い
- 硬度が低く傷がつきやすい
- 曲げにくい
- 接着が難しい
- 素材として高価
ポリカーボネートは耐候性は高いものの、温度が高く湿気の高い状況では劣化しやすい点に注意が必要です。
アクリルよりも硬度が低く表面が傷つきやすい、曲げや接着が難しいため加工性がやや落ちるといったデメリットもあります。
ポリカーボネートとアクリルの違い
ポリカーボネートと似ている素材である、アクリルとの違いを以下の一覧で比較しました。
素材 | 透明性 | 耐衝撃性 | 耐候性 | 難燃性 | 硬度 |
ポリカーボネート | 高い | 高い(アクリルの50倍) | 高い(耐熱性、耐寒性も高い) | 高い(着火しにくい、自己消化性あり) | やや低い(表面が傷つきやすい) |
アクリル | 高い | やや高い(ポリカーボネートには劣る) | 低い(耐熱性が低い) | 低い(着火するとそのまま燃える) | やや高い(ポリカーボネートより傷つきにくい) |
ポリカーボネートが用いられるシーン・製品例
ポリカーボネートは、材料特性を活かして以下のようなシーンや製品の素材として活用されています。
分野 | 製品例 |
光学分野 | カメラのレンズDVD・CDの基板光ファイバーメガネ・サングラスのレンズ |
電子機器 | パソコンの筐体カメラの筐体スマートフォンのカバーやボディ |
日用品 | スーツケース筆記用具除雪スコップパーテーション |
乗り物 | 飛行機の窓コクピットの天板車・バイクのヘッドライトなどのカバーバイク用ヘルメット |
その他 | 警察の防護シールド防弾ガラス温室の屋根や壁 |
ポリカーボネートの加工で切削加工を採用するメリット
ポリカーボネートは曲げや接着がしにくいものの、切削性が高いため切削加工での製品製造にも向いています。
ここでは、ポリカーボネートの加工で切削加工を利用することで、得られるメリットを順に解説します。
コストを抑えて加工できる
切削加工は、金型を使用せず3Dのデータやプログラムがあればすぐに加工ができます。
金型の製作にかかるコストがない分、費用を抑えた製品製造が可能です。
ポリカーボネートは素材としても高価な部類に入るため、できるだけコストを抑えて製品製作を検討しているときには切削加工が選択肢となるでしょう。
高い精度の加工を実現できる
切削加工は、データやプログラムを元に加工を行うため、加工精度が高いのがメリットです。
ミクロン単位での高精度での加工ができるのはもちろん、別の部品との嵌合確認や、面粗度の調整といった、ケースに合わせた加工も実現できます。
カメラのレンズやパソコン、スマートフォンの部品などのこまかい寸法精度が必要な製品や部品として、ポリカーボネートを使用したいときにも向いています。
さまざまな形状に加工できる
切削加工は、加工する機械が対応している範囲なら材料の厚みの制限を受けません。
作業の工程や使用する工具の順番などをプログラムできる加工機もあるため、より精密な条件下での加工を実現できます。
用途に応じて複雑な形状の部品にポリカーボネートを加工したいときにも、切削加工なら実現できるでしょう。
ポリカーボネートの切削加工における注意点
ポリカーボネートは、切削加工によってさまざまな部品や製品を加工・製造できる一方で、加工時にさまざまな問題が発生する可能性があります。
ポリカーボネートの切削加工で覚えておきたい注意点を順に解説します。
エッジの部分に欠けが生じやすい
ポリカーボネートは、加工時の送り速度が高いときやすくい角が大きすぎる場合に、エッジが欠けやすい特性があります。
そのため、適切な加工条件を設定し、エッジ欠けに注意しながらの加工が求められます。
切削の際に切削面が溶けてしまうことがある
切削加工は工具に熱がたまりやすいため、加工時にポリカーボネートの切削面が溶け出してしまうことがあります。
熱だまりを防ぐために、冷却効果の高い切削油を併用することがおすすめです。
ポリカーボネートは吸水性が低いため、切削油は水溶性のものを利用しても問題ありません。
ポリカーボネートの切削加工の流れ
ポリカーボネートの切削加工の流れを以下にまとめました。
- 図面や設計に基づいたデータやプログラムを機械に入力する
- 工具と材料であるポリカーボネートを機械にセットする
- 加工を進める
- 必要に応じて面取りや仕上げを行う
なお、ポリカーボネートの切削加工では、NC旋盤や複合加工旋盤を使った旋盤加工や、NCフライス盤やマシニングセンタ(MC)などの切削機械を使ったフライス加工を行うことが一般的です。
ポリカーボネートの切削加工を依頼する業者の選び方
ポリカーボネートの切削加工を依頼する業者の選定ポイントを解説します。
ポリカーボネートの切削加工実績や制作事例が豊富か
ポリカーボネートの切削加工実績や制作事例が豊富にある業者は、高い技術力や専門知識を持っていることの証明になります。
ポリカーボネートは、切断面の溶解や熱処理などを行いながら加工を進めなければいけません。
実績や事例が豊富にある業者なら、高品質のポリカーボネート加工を安定して進めることができるでしょう。
他の樹脂素材の切削加工にも対応しているか
ポリカーボネート以外の樹脂素材の切削加工に対応している業者は、業者としての対応力や技術力が高いことになります。
他の樹脂素材の切削加工実績も豊富にあれば、高精度でのポリカーボネートの切削加工が実現できる業者といえるでしょう。
また、ポリカーボネート以外の選択肢があることで、製品製造の検討の幅が広がるのもメリットです。
納品までの期間やコスト
依頼から納品までの期間や発生するコストは、業者によって異なります。
依頼を検討している場合は、必ず見積もりを請求し、期間やコストについても確認をするようにしましょう。
納得できる期間とコストの業者なら、依頼後の納期遅れや費用面でのトラブルなども避けられます。
まとめ
ポリカーボネートの特徴やメリット、デメリットとともに切削加工のメリットや注意点を解説しました。
ポリカーボネートは幅広い製品の素材として採用されており、切削加工なら高精度での部品や製品製作も実現できます。
ポリカーボネートや他の樹脂素材の切削加工実績の高い、信頼できる業者を選んで切削加工を成功させましょう。
ポリカーボネートを使用した部品の製造を検討している方は、ぜひ「Taiga(タイガ)」をご活用ください。Taigaは、無料で経験豊富な業者に相談できるサービスです。
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