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3Dプリンティング 2025.02.06

チタンの3Dプリントを徹底解説!メリット・デメリットや仕組みは?

チタンの3Dプリントを徹底解説!メリット・デメリットや仕組みは?

チタンは強度や耐食性、軽量性に優れており、3Dプリントにおいてもさまざまな製品製造に用いられています。

例えば、航空宇宙分野ではロケットや飛行機の部品を軽量化するのに用いられており、医療分野では患者ごとに設計されたインプラントの製造を可能にしています。

この記事では、チタンの3Dプリントで使用される素材について、特徴や種類、おすすめの3Dプリンターなどを解説します。

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チタンは金属3Dプリントの中でもメジャーな素材

チタンは、金属3Dプリントの中でもメジャーな素材の一つです。
軽量かつ高い強度、優れた耐食性を持つ特性から、幅広い分野で活用されています。

特に、航空宇宙や医療機器、工業製品などの高性能が求められる製品に適しています。

3Dプリントに用いられるチタンの種類

3Dプリントに用いられるチタンの種類や特徴は、以下の通りです。

素材名特徴主な用途
チタン6Al-4V(グレード5)軽量で高強度、耐食性に優れる。3Dプリントで最も一般的なチタン合金航空宇宙、自動車分野の部品軽量化と耐久性向上に利用
チタン6Al-4V(グレード23)生体適合性が高く、医療分野に適した素材医療用インプラントや義肢、患者カスタマイズ製品
チタンベータ21S強度、酸化抵抗性、クリープ抵抗性に優れる航空機エンジン、医療機器の特殊用途
純チタン(Cp-Ti、グレード1・2)生体適合性が高く、人体との相性が良い医療分野(インプラント、外科用具)
TA15高い比強度、耐荷重性、耐温性を持つ近アルファチタン合金航空機部品、エンジン製造など

チタン素材の特性と用途を理解することで、3Dプリントにおいてもチタンを最大限に活用できるでしょう。

3Dプリントにチタンが用いられるシーン

チタンは高い強度と軽量性、優れた耐食性を持つため、以下のような用途で利用されています。

  • 高級腕時計:複雑なデザインや高級感のある質感を実現した腕時計を製造可能
  • 医療機器:カスタムインプラントや外科用具の材料として活用される
  • 高性能自転車:軽量化と強度向上を実現し、レース用フレームの製造にも活用される
  • 消費者向け電子機器:スマートフォンやVRゴーグルなどの部品に使用することで、軽量化と耐久性を両立できる

これらの分野に共通するのは、デザイン性や軽量性、耐久性が求められることです。

チタンはこれらのニーズに応えられるため、幅広いシーンで利用されています。

3Dプリントにチタンを用いるメリット

3Dプリントにチタンを用いるメリットは以下の3つです。

  • 強度が高く、耐食性に優れている
  • 部品を軽量化できる
  • 熱伝導性が低く、非磁性である

それぞれ解説します。

強度が高く、耐食性に優れている

チタンは、軽量ながら高い強度と耐食性を持つ金属です。
そのため、耐久性が求められる製造業や医療や電子機器の部品などの分野で使われています。

また、塩水に強いことから調理器具や釣り具の素材として用いられることも多いです。

部品を軽量化できる

チタンは高い強度を持ちながらも軽量であるため、製品の軽量化に最適な素材です。

比重は4.7g/cm³と鉄や銅よりも軽く、これまで別の金属を用いていた部品をチタンに置き換えるだけで軽量を実現できます。

代表的な例として、「iPhone15 pro」ではチタン素材が使用されており、前モデルの「iPhone14 pro」と比較すると約20g軽く設計されています。

熱伝導性が低く、非磁性である

チタンは熱伝導性が低く非磁性のある素材です。

主に、以下のような環境・製品の素材として使用されています。

  • 高温環境:エンジン部品
  • 磁場の影響を受けやすい環境:MRI装置内
  • 医療分野での人体接触:医療機器やインプラント

熱伝導性が低い分、上記のように断熱性の高さが求められる製品の製造に最適です。

また、非磁性体であるため磁力の影響を受けることがなく、体内で使用する医療機器などの製造にも多く用いられます。

チタンの3Dプリントの方法

チタンの3Dプリントは、主にパウダーベッド方式を用いて行われます。

パウダーベッド方式には主に「レーザーパウダーベッド融合(LPBF)」と「電子ビームパウダーベッド融合(EB PBF)」「DED」の3つの種類があります。

それぞれについて、以下で見ていきましょう。

レーザーパウダーベッド融合(LPBF)

レーザーパウダーベッド融合(LPBF)は、金属粉末を高出力レーザーで溶融しながら層を重ねて部品を作成する技術です。

素材の特性に合ったレーザーの出力や粉末層の厚さなどの加工条件を設定することで、部品の密度や仕上がり具合、最終的な強度や性能を調整することができます。

そのため、高精度で耐久性のある部品が作れるのが特徴です。

電子ビームパウダーベッド融合(EB PBF)

電子ビームパウダーベッド融合(EB PBF)は、エネルギー源として電子ビームを用いる点でLPBFと異なる製造技術です。

電子ビームは非常に強いエネルギーを持っており、金属粉末を高い温度で溶かすことが可能です。
そのため、加工後に金属が冷える速度が遅く、仕上がりの金属内部が少し粗くなることがあります。

しかし、高い温度で成形する分強度が高くなりやすく、大きな素材の加工も可能です。そのため、航空機の部品や工業用装置などに広く使われています。

チタン対応の3Dプリンター4選

ここからは、チタンに対応しているおすすめの3Dプリンターを紹介します。

Meltio M450

Meltio M450

Meltio M450は、必要な機能すべてを兼ね備えたワイヤDED方式の金属3Dプリンターです。

チタンに対応しており、使いやすく、誰でもすぐに造形をはじめられます。

鍛造品を上回る強度を持つ小型から中型サイズの造形物を製作でき、バイメタル製品の研究開発にも最適です。安全性にも優れており、大がかりな周辺設備や保護具は不要。

初めて金属3Dプリンターを導入する企業や教育機関に特におすすめです。

メーカーMeltio社
価格問い合わせ

JAM-5200EBM

JAM-5200EBMは、日本電子(JEOL)が提供する高性能電子ビーム方式の3Dプリンターです。
最大6kWの高出力に加え、1,500時間以上の長寿命カソードを搭載し、安定した加工性能を実現します。

また、パウダーベッドを最大1,100℃以上に加熱する機能や、 粉末が飛び散るのを防ぐ機能である「e-Shield」により、製品の仕上がりを高めています。

航空宇宙や医療分野での実績が豊富で、精密部品や高耐久性製品の製造に適した3Dプリンターです。

メーカーJEOL(日本電子)
価格問い合わせ

Dmp Flex 100

Dmp Flex 100は、3D Systemsが提供する高精度な金属3Dプリンターです。
最高5 Ra μmの表面仕上げが可能で、金属部品の表面がとても滑らかに仕上がります。角の部分もきれいに作れるため、加工後の手直し作業が少なくて済むのもメリットです。

また、特許取得済みのレイヤー圧縮テクノロジーにより、細かいデザインや薄い部分も正確に造形できます。

時間とコスト削減に加え、複雑な部品の製造に適した3Dプリンターです。

メーカー3D Systems
価格約3,000万円

Lasermeister 100Aシリーズ

Lasermeister 100Aシリーズは、株式会社ニコンが開発した「誰でも簡単に使える」をコンセプトに開発された金属3Dプリンターです。

加工する部品の位置を自動で調整する「3Dアライメント機能」が搭載されており、準備作業を大幅に省くことが期待できます。さらに、5軸機構を採用しているため、自由な形状で金属造形が可能な点が特徴です。

既存の部品に新たな加工を加えたり、壊れた部品を修復したりするのも簡単で、部品交換不要で補修できるため、コスト削減や廃棄物削減にも期待できます。

メーカー株式会社ニコン
価格問い合わせ

まとめ

チタンの3Dプリントは、高い強度・軽量性・耐食性を持つチタン素材の特性を活かし、航空宇宙や医療分野などで幅広く活用されています。

また、チタン対応の3Dプリンターにはさまざまなものがありますが、導入コストはどれも高額です。
効率的かつ高品質な製品を実現するためには、適切な加工業者を選び、相談するとよいでしょう。

3Dプリントを活用した部品製造を検討している方は、ぜひ「Taiga(タイガ)」をご活用ください。Taigaは、無料で経験豊富な業者に相談できるサービスです。

難易度の高い部品や新規部品の開発、少量生産、試作から量産まで、コストを抑えつつ効率的に進めることが可能です。

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