
近年では、人工関節をはじめとした医療機器も日本国内で多く製造されるようになりました。
しかし、人工関節の製造を検討しているものの「切削加工での人工関節の製造は可能か知りたい」「切削加工時の注意点が知りたい」といった疑問を持つ方も多いかもしれません。
今回の記事では、人工関節の製造を切削加工で行うときのメリットや注意点について解説します。
依頼する業者の選び方についても紹介していますので、ぜひ参考にしてください。
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Table of Contents
切削加工は人工関節の製造に適した加工方法
人工関節とは、怪我や病気で骨や関節の機能が失われた、または機能が低下した場合に代替として使用される人工製造された関節のことです。
人工関節は元々アメリカで開発された技術ですが、近年日本国内でも多くの人工関節が製造・開発されるようになりました。
人工関節は、使用する人に合わせてカスタマイズする必要がある一方で、低コストや短納期なども考慮して製造しなければいけません。
そこで、人工関節の製造方法の選択肢となるのが、切削加工です。
人工関節は、生体適合性の高い金属であるチタンを素材として使用します。
切削加工はNC旋盤やマシニングなどの機械を使用して材料を削り取りながら加工を行うため、高い精度が求められる人工関節を安定的に製造可能です。

人工関節の製造に切削加工を用いるメリット
人工関節の製造に切削加工を用いることで得られる、具体的なメリットを解説します。
高精度な仕上がりに期待できる
切削加工はプログラムや3D-CADデータを元に、機械でコンピューター制御によって加工を進めていきます。
機械によっても異なりますが、ミクロンレベルの管理や面粗度の調整も可能なため、精密機器の部品や半導体関連製品などの精度を求められるものの加工にも向いています。
使用する人や箇所に応じたカスタマイズが必要となる人工関節も、切削加工なら高い寸法精度や仕様を保って製造が実現できるでしょう。
High degree of freedom of shape
切削加工は、機械が対応できる範囲であれば材料の厚みの制限を受けずに加工できます。
また、プログラムやデータを元に加工を行うため、複雑な形状の加工も精度を保って実現可能です。
これらの理由から、切削加工はカスタマイズ性が求められる人工関節の製造にも向いているのです。
低コストかつ、納期が短い
人工関節のようなカスタマイズ性が求められる製品は、どうしても製造の納期が長くなったり、コストが高くなったりしがちです。
その点、切削加工は射出成形をはじめとした加工方法のように、金型を必要としません。
そのため、金型の製作期間や費用が発生せず、納期を短くしつつ低コストでの製造も実現できます。
人工関節のカスタマイズ性の担保と短納期、低コストの両立に悩んでいるときにも、切削加工は有効な加工方法となるでしょう。
さまざまな材料に対応できる
射出成形などの金型を使用する加工は、材料を溶かして充填し、型に固めて成形するため、限られた材料しか対応できないデメリットがあります。
一方で、切削加工なら工具で削れるものなら何でも対応可能です。
プラスチックや樹脂などはもちろん、アルミや鉄、ステンレスなどの金属も加工できます。
もちろん、人工関節で主に使用されているチタンも切削加工が可能です。
人工関節の切削加工に求められること
人工関節の切削加工は、他の製品製作と異なるポイントを考慮しなければいけません。
人工関節の切削加工に求められる、具体的なポイントを解説します。
個人の体に合わせた高精度な仕上がり
人工関節はメーカーなどが定めた規格寸法に合わせて製作されるため、現在は人の体を人工関節に合わせるといったケースも多いです。
今後は人工関節のニーズが高くなるにつれて、個人によって異なる関節の大きさや形に合わせて、人工関節が作られていくようになると予測されています。
そのため、使用する人に適合する大きさと形に仕上げるために、精密な寸法管理が求められるでしょう。
高精度での加工を実現できる切削加工においても、寸法や表面仕上がりなどの精度を保つことが重要です。
医療機器の基準をクリアできること
人工関節を含めた医療機器は、人体に使用するための安全性や品質を十分に担保したものでなければいけません。
一般的な製品の切削加工とは異なり、医療機器としての基準をクリアした人工関節を製造できる体制を整える必要があります。
たとえば、医療機器メーカーや関連サービスを提供している組織を対象にした品質マネジメントシステムの構築を意図した規格に、「ISO13485」があります。
ISO13485は「顧客要求事項や規制要求事項を一貫して満たす医療機器を提供する能力を持つ」ことを実証できる国際規格として採用されています。
また、ISO13485に準拠した基準として「GMP(製造管理及び品質管理に関する基準: Good Manufacturing Practice)」が設けられています。
人工関節の切削加工時は、ISO13485の取得やGMPの遵守をはじめとした、医療機器の基準を満たした上での製造が必須です。
安価に加工できること
医療機器である人工関節は高精度かつ安全性を確保することを前提として、コストを抑えた製造も求められます。
人工関節が安い価格で手に入るようになれば、より多くの人工関節を必要とする人の元に製品を供給することができるようになるためです。
従来の精度や安全性は確保しつつ、より効率的な製造を実現させるなど、コストダウンを見据えた切削加工を行う必要があるでしょう。
人工関節の切削加工における注意点
切削加工による人工関節製造にはメリットが多いものの、加工時の材料特性や技術面で課題が発生することがあります。
使用する素材によっては、加工難易度が高い
切削加工では、材料によって加工難易度が高くなる場合があります。
特に人工関節の材料として使われているチタンは硬度が高く、切削加工が難しい素材のひとつです。
人工関節の切削加工には、チタンの切削加工に対して適切な工具の選定や切削条件の設定ができる、高い技術を持つ業者へ依頼することが重要です。
大量生産には向かない
切削加工は材料を削って加工するため、どうしても加工に時間がかかります。

また、削り取られた材料を再利用することは難しいため、材料分のコストも高くなりがちです。
切削加工は少数や一点ものの製作には短納期、低コストでの製造が可能となりますが、大量生産の場合は向いていないといえるでしょう。
製品の出来栄えにばらつきが出やすい
切削加工は刃物に摩耗が生じやすく、寸法や面粗度に差が出やすい加工方法です。
また、切削によって発生する切りくずが工具に付着することで、刃物の摩耗や切削精度の低下の原因となります。
同じ材料の製品でも加工の出来栄えにばらつきが出やすいため、同じものを繰り返し生産するのには向いていません。
製品の品質や規格を保つためには、加工するたびに工具のメンテナンスや加工条件の管理が求められます。
作業者の技術力が必要
高精度の切削加工を実現するには、適切な工具の選定や切削条件の調整が必要です。
同じ条件下で切削加工を行っても、作業者の持つ技術力や知識によっては切削加工の精度が低くなってしまいます。
特にチタンを加工する人工関節の切削加工には、実績と技術力の高い作業者が必須です。
人工関節の切削加工を依頼する業者の選び方

人工関節の製造で理想的な加工を実現するには、高度な技術や専門的な知識が必要です。
人工関節の切削加工に対応しているのはもちろん、多くの切削加工の実績を持っている業者を選びましょう。
ホームページに具体的な人工関節の製作事例などが掲載してあれば、高い技術を持っている証明になります。
また、人工関節は医療器具のため、製品としての品質や安全性を担保した加工を行う業者を選ぶことも重要です。
ISO13485の取得やGMPの遵守、独自の検査の実施など、医療器具の生産体制を整えている業者を選びましょう。
Summary
人工関節の製造に切削加工が向いているポイントやメリット、人工関節の切削加工で注意すべきポイントなどを解説しました。
人工関節のニーズは今後も高まりが予測されており、切削加工での低コスト、短納期での製作も注目されています。
精度が高く安全性を担保できる人工関節の製造を実現するには、技術力と実績の高い業者を選ぶことが重要です。
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